6. 相続税のかかる財産はどんなもの?
相続税のかかる財産にはどういったものがあるのでしょうか。教えて下さい。
相続税のかかる財産は、原則的には金銭的な価値のあるものすべてと考えていいでしょう。つまり、不動産や銀行預金から家庭用の動産(自家用車テレビ等々)まですべてが税金の対象になるわけです。
相続税のかかる財産を大きく分けると次の3つです。
本来の相続財産
これは、被相続人(亡くなった人)から直接相続した財産のことです。
一般的には次のような財産です。
1.土地(借地権も含まれます)、家屋
2.現金、預貯金、有価証券
3.家庭用動産(自家用車、絵画、宝石、テレビ等々
4.実質的に被相続人の所有と考えられる家族名義の預貯金、有価証券等
なお、お墓や仏壇、位牌等は課税の対象から外され、非課税となっています。
みなし相続財産
これは、被相続人から直接相続した財産ではありませんが、被相続人の死亡がきっかけで得た財産ということで課税されるものです。一般的には生命保険金と死亡退職金です(ただし、非課税枠があります)。
3年以内の贈与財産
これは、相続や遺言で財産を取得した人が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産のことです。 相続税の計算上は、贈与を受けた人の相続財産に加算します。
なお、支払済みの贈与税については相続税から控除されます。
相続時精算課税制度を選択した贈与財産
相続時精算課税制度を選択した財産については、すべて相続財産に加算されます。
| MENU |
7. 相続税がかかるかどうかをフローチャートでチェック
相続税がかかるかどうかの判定の基準を教えてください。
次のフローチャートで相続税がかかるかどうかをチェックしてみましょう。
なお、チェックの前に概算で結構ですので被相続人の全体の財産を計算しましょう。
◆相続税判定のフローチャート◆
(注)法定相続分
配偶者と子供の場合 ・・・ 配偶者1/2、子供1/2
配偶者と親の場合 ・・・ 配偶者2/3、親1/3
配偶者と兄弟の場合 ・・・ 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
◆相続前に贈与があった場合の注意点◆
被相続人の死亡前3年以内に被相続人から贈与を受けた場合は、相続財産に
贈与財産も加算して相続税の計算をしますので注意してください。なお、相続時
精算課税制度を選択している相続人の場合、選択後の贈与財産が加算されます。
◆土地や建物の評価について◆
土地や建物の評価についての概略は次のとおりです。
☆土地・・・次の2つのどちらかの方法で評価します。
@路線価方式:評価する土地が面している道路に価格が付けられている
(路線価)ので、それに面積を掛け合わせる。
A倍率方式:固定資産税の評価額に決められた倍率を掛け合わせる。
☆建物・・・固定資産税の評価額×1.0
※路線価及び倍率は国税庁のホームページ又は最寄りの税務署で調べられます。
固定資産税の評価額は、市町村役場(東京都内は都税事務所)で
固定資産税評価証明書を取って確認することができます。
| MENU |
8. 相続税の計算のアウトライン
相続税の計算の概略を説明してください。
相続税の計算は初めに課税価格の計算をし、相続税の総額の計算を経て、
最終的に各人ごとの納付税額を計算する3段階があります。
◆計算のポイント◆
相続税の計算では、直接各相続人の税額は求められません。つまり、自分が1億円相続したから税金はいくらかといった計算は直接できず、相続財産全体の相続税の総額を仮に計算し(この時、相続財産を法定相続分で相続したと仮定した相続税の合計額とします)、その後、相続税の総額を各相続人の実際の取り分に応じて配分するのです。
◆相続税の速算表◆
各相続人の法定相続分に応ずる取得金額 |
税率 |
控除額 |
0〜1,000万円以下 |
10% |
0 |
1,000万円超〜3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
3,000万円超〜5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
5,000万円超〜1億円以下 |
30% |
700万円 |
1億円超〜3億円以下 |
40% |
1,700万円 |
3億円超 |
50% |
4,700万円 |
☆注意☆
この速算表の使用方法は次のとおりです。
法定相続分に応ずる取得金額×税率−控除額=各人の仮の相続税額
例えば、取得金額30,000千円に対する税額は,30,000千円×15%−500千円=4,000千円です。
| MENU |
9. 相続税の申告はいつまでに、どこにするの?
相続税の申告はいつまでにすればいいのでしょうか。
また、申告書の提出先は相続人の住所地の税務署でいいのでしょうか。
相続税の申告の期限、納付の期限及び申告先の税務署は次のとおりです。
◆申告の期限◆
相続の申告は被相続人の死亡した日(何らかの事情で当日それを知らなかった人は知った日)の翌日から10か月以内にすることになっています。例えば、4月5日に被相続人が死亡したとすると、翌年の2月5日が申告期限となります。
◆納付の期限◆
納付の期限は申告の期限と同じです。金銭で全額納付するのが原則ですが、延納(分割納付)や物納(土地等の物で納付)する場合は申告と同時に手続きが必要です。
◆申告先の税務署◆
申告書の提出は、相続人の住所地に関係なく被相続人の住所地の税務署に行います。また、相続人全員が一つの申告書で行います。
| MENU |
|